【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
モヤモヤイライラした気持ちが消えないまま新学期が始まる。


始業式をサボって、康平と学校近くの神社でタバコを吸っていた。


「夏休みあんま会えなかったな」


「康平は何してたの?」


「夏期講習行って、海行って、…毎日遊んでた(笑)」

羨ましいね。


心の中で呟く。


私も施設になんかいなきゃ、夏休み毎日遊んでいられたのかな。


塾にだって通って、高校に進学したかもしれない。


もしも、私が違う親の元に生まれてたら、もっと違う人生だっただろうな。


まだまだうるさい蝉の声に耳をすませてそんなことを考えていた。
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