【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
放課後、関内駅にやってきた。


北口に降りるのは久しぶり。


1人で来るのも久しぶり。


いつもは、いずちゃんと南口に降りて大通り公園に行ってたからな…。


…いずちゃん…かぁ。


モヤモヤが広がっていきそうになった頭をぐしゃっとつかんだ。


いずちゃんとはあれから普段通りに接しているけど、お互いにどこか気まずい感じがある。


いずちゃんが話してこないから、私も聞かなかった。


「久しぶり!」


黒かった肌がさらに黒くなった渓が改札から出てきた。


「久しぶり!」


渓の笑顔に自然と私まで笑顔になる。


「黒くなったね(笑)」


「毎日海行ってたからね。来年ははるかも一緒に行けるよね」


嬉しそうに話す渓。


そうだ…私、来年の今はもうこんな縛られた生活してない…。


漠然としか考えていなかった未来を初めて身近に感じた。
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