【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
駅前の横断歩道を渡り、伊勢佐木モールを歩く。


石畳のようなレンガ敷きの地面は、いつも歩いているコンクリートよりも涼しい気がする。


カラオケ屋に入り、食べ物と飲み物がテーブルに乗る。


「はるかから誘ってきたの初めてだよね」


灰皿を私の前に置いて言った。


「急に誘ってごめんね。…渓くらいしか話せる人いなくてさ…」


置いてくれた灰皿に、ストローのゴミを入れる。


「え…?いずは?」


「…そのいずちゃんのこと…」


俯いて言った私に、渓は小さくそっかぁと呟いた。
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