【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「ショック?」


私を見ずにテーブルのタバコに手を伸ばす渓。


「そりゃね。いずちゃんには何でも話してたのに、いずちゃんは違うんだって…。何で私に話してくれないんだろ」


膝に顎を乗せ、ため息をつきながらそう言った。


「え!?そっち!?」


「…え?」


驚く渓に私も驚く。


渓は私を少し見つめた後、ゆっくりとまばたきをしてタバコに火をつけた。


え…?そっちって何!?


音が聞こえるくらいに渓は深く煙りを吐き出す。


「てっきりさぁ…」


タバコをトントンと指で叩き灰皿に灰を落とす。


?


てっきり…何?


渓の間が私を少し緊張させた。
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