【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「胸がキュンとする時」


「キュンとするってどんなの?」


「えー?例えば、片思いの時は目が合うだけでキュンとするし、触られるだけで胸が高鳴る感じ?」


ケラケラ笑う渓。


触られて胸が高鳴る…?


頭に浮かぶ直樹とのこと。


「てかさぁ、好きなんて深く考えたって分からないよ。気持ちよりも、勝手に頭と体が判断するの。好きになってから、あぁ好きだわって自覚するもんだって」


ジュースを吸い込みながら口角を上げる。


「…笑った目にドキドキしたり、動けなくなったりは…?」


ストローをくわえたまま私を見て笑った。


「私も笑った顔が1番キュンとする」


そう優しい顔をして言った。
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