【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
口にはしないけれど、施設にいた小さな子たちはみんな同じだったんじゃないかな。


私は面会に来たり一時帰宅できたりする子が、ものすごく羨ましくて、羨ましいを通り越して妬ましくもあった。


だけど、今は面会に来ない方が子供のためだったんじゃないかとも思う。


面会や一時帰宅の前はみんなそわそわして浮かれていたが、終わった時の悲しそうな顔。


絶望の中にある期待を叶えてあげられないなら、中途半端な夢を与えたらダメなんだ。


子供は絶対に親を嫌いになれない。


その言葉は本当だと思う。


親を嫌いだと思ったことは1度もない。


好きだった気持ちは憎いに変わって、そのうち無関心になったから。
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