【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
何も話しがないまま京急に乗る。


隣に座るいずちゃんに、何て話題を振ればいいのかだけが頭をいっぱいにする。


普通に、話って何?って聞くべき?


いや、直樹のことしかないんだから、直樹とどう?って明るく聞けばいい?


でも不自然すぎるよな…。


会話がないまま、芸術劇場のある汐入に着いたがいずちゃんは立とうとしない。


「え?いずちゃん?」


発車ベルが鳴りドアといずちゃんを交互に見ながら焦る私。


そして、ドアは閉まってしまった。


…。


困惑しながらまたいずちゃんの隣に座ると、俯いていたいずちゃんの顔が前を向いた。


「はるか…私ね」


そう言って私の目を真っ直ぐ見つめる。
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