【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「私ね、こんなに好きになったのは初めてなんだ。本当に本当に好きなの。…直樹を好きになって、ウリしたこと初めて後悔した」
タバコを地面に落とし踏み潰していた足が止まる。
「処女売る時、すごく怖くて本当にこいつが初めてでいいの?って何度も踏みとどまった。いつか後悔するんじゃないかって考えた。でも、この先も施設にいる方が絶対後悔する、お金貯めて出て行かなかった自分を責めるって思った」
いずちゃんから初めて聞いたことだった。
「だから、処女売ったこともウリして自立したこともこの先絶対後悔しないって決めてたのに、今すごく後悔してる…」
「…直樹には言えないから?」
そう聞くと、小さく頷く。
「それと、やっぱり初めては好きな人としたかったなって…」
…。
いずちゃんの言葉に、私は下を向いて無言でいた。
何も言えない…。
口を開いたら、きっと綺麗事しか出てこない。
タバコを地面に落とし踏み潰していた足が止まる。
「処女売る時、すごく怖くて本当にこいつが初めてでいいの?って何度も踏みとどまった。いつか後悔するんじゃないかって考えた。でも、この先も施設にいる方が絶対後悔する、お金貯めて出て行かなかった自分を責めるって思った」
いずちゃんから初めて聞いたことだった。
「だから、処女売ったこともウリして自立したこともこの先絶対後悔しないって決めてたのに、今すごく後悔してる…」
「…直樹には言えないから?」
そう聞くと、小さく頷く。
「それと、やっぱり初めては好きな人としたかったなって…」
…。
いずちゃんの言葉に、私は下を向いて無言でいた。
何も言えない…。
口を開いたら、きっと綺麗事しか出てこない。