【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「この前渋谷行ってさぁ」


勝手に抜け出してるけど、都内まではさすがに行ったことがなかった。


高校生になったらある程度自由になるとは聞いていたけど、中学の頃は休日の外出届けも近場じゃないと許されなかった。


「学校終わったらマック行こう」


そんなお小遣いはもらえなかった。中3で月に1000円だけ。


しかも門限も部活がないなら3時半とふざけた設定だった。


本当に、こんな些細なことですら差を感じていた。


みんなは自由なのに、何で私はあの場所でペットのような生活をしなきゃならないの?


毎日毎日考えてた。


施設から逃げ出したこともあった。まぁようするに家出。


あっけなく補導されて終わり。
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