【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「え…?」


意味が分からず顔を上げる。


「お前のか?」


意味の分からないまま顔を横に振った。


「誰のか知らないか?」


え…このこと?


ウリがバレたわけじゃないの?


何だよ、まじ焦ったし。


伸ばしていた背筋を丸め、透明のケースに手を伸ばす。


「知らないってか、どこにでもある薬ケースじゃん?」


…薬ケース…?


タバコの箱くらいの大きさの透明のケース。


手に取ってから思い出した。


「…もしかして、覚せい剤…?」


透ける中身が、ラムネのような白い錠剤だ…。


これ、あいつの…!?
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