【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「草村に落ちてたんだ。…お前のじゃないんだな?」


山本の低い声が頭に響く。


これ、ペナルティ食らった後に目で合図されて拾い行った時のと同じだよね…?


「まさかお前のなのか!?」


考え込んで返事をしない私に、肩が揺れるほど大きな声で怒鳴った。


「は!?私がクスリやってるように見える!?」


「そんなの分かんねーじゃねーか」


分かんねーじゃねーかって、ガキかよ…。


分かるだろ、どう考えたってあいつだろ。


「いくら私でもそこまでバカしないって。てか何で私が疑われなきゃなんないの」


背もたれにドサッと背中をつけ、足を組みながら言う。
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