【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
文化祭を楽しんだ後、渓と港南台の駅前にあるファミレスでご飯を食べた。


「高校ってすごいね!」


興奮気味に言った私に笑顔を向ける渓。


「行きたくなった?」


「…さぁ?」


そう首を傾げながら笑ってごまかした。


行きたくないと言ったら嘘になる。


高校生の生活を初めて見て、別世界に感じるくらい楽しそうだった。


私がこの場所にいられたら…。


そう想像すると、すっごくワクワクしてきた。


だけど、私の帰る場所は施設。


あの場所にいられるのは、小さい頃に将来なりたいものを夢見ることと同じくらい非現実なこと。
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