【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
あの高校じゃなかったとしても、私が高校へ行くなら施設に留まらなきゃならない。


高校へ行けば友人関係が広がって、あんなに活気のある文化祭に参加できて、思い出も増える。


考えたことのなかった高校生活の楽しさに初めて気が付いた。


…だけど、私はそれを捨てでも施設を出ることを望んでる。


自由になりたい。


あの場所にいる限り全てが縛られる。


過去の自分が足元に絡みつく…。


そんなことを考えながら、フォークに巻きつけたスパゲティを見つめた。


「どうしたの?…あ、直樹といずのこと!?」


直樹と言う言葉に反応するように、ぼうっとしていた頭が働き始める。
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