【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
いずちゃんが幸せならって思ってた。


幸せになってほしいって思ってた。


幸せだと思ったことがない私に、他人の幸せを願うってちょっと違うんじゃ…?


直樹といずちゃんが付き合えればいいと思ってた。


それって、いずちゃんが幸せだからじゃない。


自分自身がその方が楽だからだ…。


きっと付き合ったら好きだなんて思わない。


勝手に気持ちは消えていく。


そう思ってただけじゃない?


自分の本心に初めて向き合って、性格の悪さにへこんだ。


渓から聞いた話も、いずちゃんに言うべきなのか。


それも分からない。


いずちゃんに会うのが気まずいな…。


そんな気持ちで電車に乗っていた。
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