【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「クスリ探してんでしょ?」


そう真っ直ぐ見つめながら聞くと、明日香はため息をつき舌打ちをした。


「どこやったの?」


「あれって覚せい剤?」


「…どこやったの?」


会話にならない会話。


少しの沈黙の後、明日香が私のベッドに上ってきた。


「まじでヤバいから、どこやったか教えてよ」


「やっぱり覚せい剤ってこと?」


目をそらす明日香に、そうなんだと感じる。


「この前山本が持ってた」


そう言うと、勢い良く顔を上げ私の肩につかみかかる。


「は!?何で!?あんたが渡したの!?」


必死すぎる明日香の目が怖い…。


そう思いながら、手を払う。
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