【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
喉痛い…。


足ももう限界…。


それでも足を止めるとザワザワとした感覚が襲う。


雪が降ってるのに、何でこんな汗かいてるんだろ…。


ヨタヨタしながら、目に入った公園へ歩いて行った。


水道の蛇口をひねり水に口をつける。


冷たくて、喉の痛みが落ち着いていく。


顔も洗いたいけど、凍るかな…。


ずっと握りしめていた右手を開こうとすると、固まったように動かない。


それだけの長い時間がたったのかな…。


冷たくなった右手に暖かい息を吹きかける。


それでも開かない指を、1本1本開いていった。


手のひらの上に小さく丸まった白い紙。


両手で包むようにしながら辺りを見回した。
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