【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
街灯の光の中を雪が落ちていく。


すごく綺麗で、施設の部屋の窓から見ていた夜桜を思い出した。


…あんな場所もう帰りたくない…。


結局私の思い出は施設が中心なんだと思い知らされ、頭をかきむしる。


手から紙が落ちたのに気づき拾い上げた。


くしゃくしゃに丸まった紙をゆっくりと開くと、慌てて書いたからか汚い数字が並んでいる。





少しの間その数字を見つめた後、またキョロキョロとして光を探す。


街灯ばかりが目に入るが、探している光は違う。


ここにはないんだ…。


バス停…バス停にならあるかも!


閃いて、疲れていた足も軽くなり、私はまた走り出した。
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