【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
少しすると、やっと見つかった。


電話ボックス。


扉を開き中へ入ると暖かかった。


服についた雪を払っていると、暖かくなったからか鼻水が垂れてくる。


ランドセルを下ろし、ティッシュを取り出し鼻をかんだ。


緑色の受話器を、寒さからか緊張からか分からないが震える手で取る。


何枚かの10円玉を公衆電話に入れ、小さく深呼吸をする。


さっきの紙を片手にボタンを押していく。


最後の数字を押す前に、受話器を置いた。


チャリンチャリンとお金が落ちてくる音が狭い電話ボックス内に響く。


ダメだ…。


怖い…。
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