【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
見上げた空は、さっきと同じ。


雪が降ってくるんじゃなく、私を空に吸い込んでくれる。


あぁ、また足にまとわりついてきた。


気持ち悪い。


早く連れて行って。


ここなら寒いし死ねるよね。


きっと死ねる、私はこんな場所にはいたくない。


もう全部を忘れたい。


施設でのことも、母親のことも、全部消したい。


消すには自分が消えなくちゃ…。


そんなことを泣きながら考え、私は意識をなくした。


目を開けた時は、病院だった。


近くを通りかかった人が通報したらしい。


ランドセルから連絡先を調べたらしく、施設の職員が2人ベッドの脇に座っていて、私は発狂した。


会いたくなかった、見たくなかった男がいる。


足だけでなく腕もお腹も体中が、ザワザワと何かにまとわりつかれたような感覚だった。
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