【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「ありがとう」


泣いてる私を心配する陽介に、そう口元を緩めながら言った。


すると、陽介は安心したように笑う。


「誕生日おめでと!」


太陽の光が空から降り注ぐ。


笑顔でおめでとうと言ってくれた陽介。


夢で見た誕生日とは違う。


違うけど、同じ。


毎年陽介が1番だった。


誕生日におめでとうって言ってくれるの。


それを聞いて他の子や職員も思い出したように、言ってくれる。


陽介が去年砂でケーキを作ってくれた。


冗談で来年はウェディングケーキみたいに大きいのがいいって言った。


それを覚えてくれていた陽介。


ありがとう。


本当にありがとう。


最悪な誕生日から、最高な誕生日に変わった。


昨日の悪夢は全部消えたような気がする。
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