【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
横っ腹が痛くて、足も痛くなって、だんだんと遅くなるスピード。


肩が上下に大きく揺れ、汗がたれてくる。


荒い呼吸を整えるように、辺りを見回した。


全然近所じゃん…。


施設から1キロくらいしか離れてないのにこんな息上がるなんて、本当体力ない…。


そんな風に冷静に考えられる頭もあったが、とりあえずもっと遠くに逃げなきゃって気持ちでいっぱいだった。


どこに行こう。


このままだと施設の職員が探しにくる。


見つからなかったとしても、制服のままだから補導される。


どうしよう。


痛い脇腹を押さえながら、ゆっくりとだけど確実に施設を離れて行った。
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