【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
康平の視線の先には、私の開けたお弁当箱があった。


「今日は2つ下の子たち」


「中1でこれだけ作れたらすげーよな」


窓から差し込む太陽の光に、康平の金色の髪が透ける。


「何で横浜ってお弁当なんだろうね。他の地域って中学まで給食なんでしょ?」


昔横浜の市長だか誰かが、親の愛情をだかなんだか言い訳つけて、給食じゃなく弁当制にしたと噂で聞いた。


本当か嘘かは分からないが、とりあえずそのおかげで、週に1回くらい弁当当番が回ってきてお弁当を作らなきゃならない。


何て面倒な制度作ったんだよ、と毎回作りながら愚痴っていた。
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