【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
不思議と気持ちが少し楽になった。


昔いつも泣いていると、陽介が影送りをしてくれた。


だからかな…。


空に自分の影が浮かんだことで、興奮していた気持ちがだんだんとおさまっていく。


「落ち着いた?とりあえず1時間くらいで行くからそれまで直樹といろよ」


「直樹は無理…」


いずちゃんに悪いって気持ちはあるが、それ以上に会いたくない。


会いたくないわけではない。むしろ会いたい。


だけど、会ったら好きだって気持ちが大きくなる。


こんな時三日月の目を見てしまったら、きっともう自分の中でごまかしがきかなくなる。
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