【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
ファミレスの入り口に置いてあったフリーペーパーを眺め、3杯目のドリンクバーがなくなる頃陽介がやって来た。


「お前ドリンクバーしか頼んでねーの!?」


椅子に座りながら笑って言う陽介。


だって人の金だし…てか、大丈夫?とか言わない所が陽介らしい。


「俺飯食ってねーから食うよ?お前も何か食ったら?」


「さっき渓とご飯食べたから大丈夫」


メニューに向けていた目を私に向けた。


「あ、そっか。文化祭行ってたんだっけ?」


優しい目。


何でもない会話。


施設を飛び出してきたのを忘れてしまいそうな自然な時間が流れていく。
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