【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「とりあえず服買うならマルキューがいいかなって思ってさ」


笑って言う陽介に、正直複雑な心境だった。


もっと遠くに行きたかった…。


帰れないくらい遠くに行きたかった。


なんて思った私は、ワガママだ。

夏までは、1番行ってみたかった遠い場所だと思ってたのに、2度目の渋谷はこんなにも近く感じたのが不思議。


マルキューへ行き、陽介の後ろを着いて行く。


ドンドンと体の芯に響く流行りの曲が、やっぱり日常とは違う世界に感じる。


「俺流行りとか分からないから、知り合いいる店行くけどいい?」

そんなこと言って、陽介の格好バリバリ流行り乗ってるけど?


なんてことは口にはしなかったが、流行りのアクセサリーを身につける陽介を見て笑いながら頷いた。
< 228 / 358 >

この作品をシェア

pagetop