【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
…こういうさり気ない気づかいって、大人だから普通なの?それともホストやってると身に付くの?


どっちにしろ、普段されたことのない扱いにこそばゆくなる。


陽介はモモちゃんにお礼を言って歩きだした。


「え!?お、お金!!」


あるわけもないのに、慌てポケットに手を入れ財布を探す。


そんな私を見てモモちゃんが笑った。


「ハルカがもう払ってるから大丈夫」


耳元でこっそりと言ったモモちゃんからは、甘い大人っぽい匂いがした。


払ってるからって…私でもここのブランドの値段くらい知ってるよ…。


そんな値段おごってもらえるわけない。


モモちゃんに頭を下げて、店を出て行く陽介を追いかけた。
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