【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「お金ちゃんと返すから」


隣に並びそう言うと、陽介が驚いた顔をした後笑って私の頭をなでた。


「じゃあ今度飯おごって。それでチャラな」


飯って…服代と同じくらいのご飯じゃ高級フレンチとかしかないじゃんか…。


陽介がそんな店連れて行けなんて絶対言うワケない。


どうにかして、この服のお礼しなきゃな…。


なんて考えながら歩いていると、陽介が急に立ち止まった。


?


「渓じゃね?」


そうお店の中にいるギャルを指差し私に聞いてきた。


渓?


マネキンが邪魔で見えなくて、体を斜めにして覗き込む。


!?


先に目に入ったのは、渓ではなく直樹だった。
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