【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「でさ、本題だけど」


タバコの煙りを吐き出して私を見た目は、思わず抱えていた膝を床に下ろしたくらい真剣だった。


その真っ直ぐに見つめてくる目に、陽介から次に出てくる言葉の予想はつく。


「施設で何があった?」


…。


「言いたくないなら仕方ねーけど、逃げたいほどのことがあったなら、それ解決しなきゃ帰れねーだろ?」


「何かがあったわけじゃない。ただ、フラッシュバックって言うの…?昔のこと思い出して…」


「母親思い出したって言ってたよな?…お前が入院した時のこと?」


小さく頷いた。


でも、それだけじゃない。


それ以前のことも含めて色々思い出してた。


人には絶対に言いたくないこと。


死ぬまで誰にも話さないって決めたこと。
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