【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
目に映るのは心配そうな陽介の顔。


だけど、感情はあの時と同じで涙がこぼれ落ちていく。


何で死んでんの?


何であんたが死ななきゃならないの?


ねぇ、私も死んだ方がいい?


このままなら死んだ方が楽になる?


笑って飛び降りるほど、生きてるのが辛かった?


…辛いよ…。


夜がまた来るって思うと怖い。


だけど、死ぬのはもっと怖い。


ねぇ、死ねない私は弱いのかな?


「何で置いてくの…」


ぐしゃぐしゃな顔で陽介に問いかけた。


陽介じゃない。


陽介の後ろの窓から見える低い月。


あの時と同じ赤い月。


「置いてかないから大丈夫」


陽介が私をぎゅっと抱きしめて頭を撫でた。


私も陽介の背中に手を回し抱きつて声を荒げて泣いた。
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