【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
気がつくと、リビングとは違う照明が目に入った。


ボーッとする頭。


足が何か重い。


体を起こすと、かけてあったのか毛布が体から落ちた。


あ、ベッドだ…。


ベッドの横にあるコンポから、小さく音楽が流れている。


それ以外は何もない部屋だった。


足が重たかった理由は、赤い首輪をつけた猫が寝ていたから。


警戒心もなくお腹を見せて寝ているマリオに、思わず口元が緩み撫でた。


マリオの耳がピクッと動き目を開ける。


起き上がり伸びをしたと思ったら、カーテンに首を突っ込んで外を見始めた。


隙間から見える赤い月。


さっきのは夢だったのか現実だったのか曖昧だ…。


久しぶりに思い出したな…あの子のこと。
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