【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
エレベーターを降りてエントランスを抜ける。


車じゃないってことは近場なのかな?


まぁ、スッピンだし近場のがいいけど。


「やっぱ夜は寒くなったな」


パーカーに袖を通しながら言う陽介。


体に当たる風が冷たく感じる。


「てか月低くて赤くね!?天変地異の前兆とかよく言うよな」


「陽介迷信とか信じるんだ!?」


すごい意外だった。


だけど、その意外さのおかげで思い出した。


「赤い月って、海外だとストロベリームーンって呼ばれてたりするんだって」


「ストロベリー?何そのかわいさ(笑)」


赤い月は怖いってイメージだった。


天変地異の迷信とかじゃなく、あの日の月がそうだったから。
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