【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「なお……って、もう電車も走ってないし行けないから!てかはるか帰ってこない気!?」


「今は帰る気ない」


そう言うと、携帯の向こうから大きくため息が聞こえた。


「いずちゃんたちに迷惑かかってるのは分かってるよ…。でも、まだ帰る気になれない」


「分かった。こっちは何も影響ないから大丈夫だけど、本当すごい心配したんだから電源は入れといて!」


「あははっ」


「は!?何笑ってんの!?どんだけ心配したと思ってんの!!」


いつものいずちゃんだ。


心配してくれてる。


心配してくれて怒ってくれてる。


何か、それが無性に嬉しかった。
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