【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
陽介がいるおかげか、結構普通でいられた。


気まずいだろうなって思っていたけれどそんなこともなく、直樹は変わらない三日月の笑顔で、私の作った料理を食べてくれた。


居心地がいいな。


そんな風に感じる自分に驚いた。


陽介と直樹のくだらない会話に私もつられて笑う。


あんなに苦しくなるほど直樹のこと考えていたのに、本人の前でこんなに笑えるなんて思ってなかった。


こんな関係を壊したくない。


居心地がいいなんて思える居場所は、めったにない。


だから、大切にしたい。


自分の気持ちを話したら、きっとこんな風にはいられない…。


だったら、伝わらなくていい。


好きって気持ちが消えなくても、直樹と笑い合っていたい。


好きなんだって思うから、きっとこの関係が心地良く感じるんだ。


うん、このままでいい。


もしも、いずちゃんが直樹の隣に並んだとしても、こんな関係が続くならそれでいいんだ。
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