【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「はるか!」


イライラしかけた時、そう声が聞こえて顔を上げるとモモちゃんが前から走ってきた。


「モモちゃん」


困った顔をしながら目の前にいる男を視線で指した。


「行く店決まってるから」


モモちゃんはそれだけ言って私の手を引っ張り歩きだす。


「足止めたらキャッチ寄って来るよ(笑)」


「今のキャッチなの!?」


関内で何回かされたことあるけど、あんなんじゃなかったよ。


「キャッチならいいけど、変なのに絡まれたら面倒だしちゃんと手繋いでようね」


目を細めて言うモモちゃんが、お姉ちゃんのように感じた。
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