【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「モモちゃんは良く来るの?」


エレベーターが上っていく中、随分慣れてる感じがあったので聞いてみた。


「気が向いた時だけかな。そんなお金もないし」


あははっとモモちゃんは笑ったけど、ホストの料金がそんなに高いとは知らなかった私は、昼間アパレルで働いて夜も週2やってるのにそんな給料少ないんだと思っていた。


エレベーターを降りて驚いた。


え、ここってさっきのビルだよね…?

綺麗とは言えない見た目のビルだった。


でも、今前にあるのは全くそんなことを感じさせないフロア。


おとぎ話の入り口にでも行くようなメルヘンチックな彫刻の入った扉。


その隣には真っ白な壁に金色の縁の中、ライトアップされるお店の名前と数枚の写真。


想像していたホストクラブとは全く違い、急に緊張してきた。
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