【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「よっ!何考え込んだ顔してんの?」


そう言いながら直樹が私の隣に座る。


直樹は陽介ほど別人に見えなかったけど、やっぱりスーツ姿とセットした髪に違和感がある。


「何か食う?俺のおごりだから好きに飲んで食って」


薄暗い中見る三日月の目は、さっき固めた意志を簡単に打ち砕きそうなほどの威力があった。


「えーじゃあ1番高いの(笑)」


吸い込まれる前に視線をそらして、差し出されたメニューを開いた。


!?


目が開いたまま固まる。


何…この料金…。


0の数間違ってない?


だってこのお酒、100万越えてるじゃん…?


ポッキーですら1桁違うよ。


何この料金設定…。
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