【実話】かげおくり～また君に恋をしたい～

エレベーターを下りて外に出ると、空は明るくなっていた。


ゴミが散乱し、大量のカラスがそれを漁る。


酔っ払ったホストが道路の端で寝ている。


あんなに人で賑わっていたのが嘘のように、閑散とする街中。


夜には感じなかった鼻につく臭い。


太陽の照らす歌舞伎町は汚い街だと感じた。


そんな汚さも気に止めないで歩く2人の後ろをついて行った。


途中でタクシーに乗り、陽介のマンションに到着すると直樹はすぐに荷物を持って出て行った。


朝8時をテレビのニュースが伝える。


普段はこれから1日が始まるはずなのに、1日の終わりなんだって思うと不思議だ。