【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「連絡…?」


何も知らなかった私に、山本が教えてくれた。


私が施設を飛び出した後、陽介がさっちゃんに電話したらしい。


とりあえず落ち着くまで一緒にいると。


陽介の家で様子がおかしくなった私を見て、今帰すのは無理だと山本を説得してくれたらしい。


…説得というより脅しだったと後々陽介が笑って言っていたが。


勝手に逃げ出したらどうなるか知ってたんだ…。


いや、経験してたんだろう。


何度か補導されたって噂は聞いてたから。


だから、私が助けを求めたら来てくれたんだ。


帰れなんて1回も言わないでくれた。


自分から帰る気にならないと、同じ事繰り返すって分かっていたんだろう。


だから、きっと施設側に連絡してくれてたんだ…。


私が帰れる環境にしてくれてたんだ…。
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