【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
もみじの葉が黄色と赤のグラデーションに色づいた時期。
毎年恒例の施設の遠足が行われた。
受験生もこの日は息抜きにと、強制参加させられる。
まぁ受験もしない私はどっちみち手伝いとして借り出されるのは分かっていたが。
「すごい綺麗だね」
池の脇に散っていくもみじ。
カメラのファインダー越しに見ていた私に、さっちゃんが言った。
「だね。まぁ毎年見てるけど(笑)」
否定の言葉より共感の言葉が先だったからか、さっちゃんは驚いたように私を見る。
それに気付かないフリをして、シャッターを押した。
「はるちゃんも鎌倉遠足最後なんだね…。今からでもいずちゃんの班に参加したら?」
「いや、歩くのダルいしシール係でいいよ」
鎌倉遠足は、小学校でやるようなオリエンテーリング形式だった。
縦割りの班に別れ、それぞれが各ポイントを通るように観光ルートを決める。
私は観光に参加する側でなく、ポイントで待ってシールを貼る係になっていた。
毎年恒例の施設の遠足が行われた。
受験生もこの日は息抜きにと、強制参加させられる。
まぁ受験もしない私はどっちみち手伝いとして借り出されるのは分かっていたが。
「すごい綺麗だね」
池の脇に散っていくもみじ。
カメラのファインダー越しに見ていた私に、さっちゃんが言った。
「だね。まぁ毎年見てるけど(笑)」
否定の言葉より共感の言葉が先だったからか、さっちゃんは驚いたように私を見る。
それに気付かないフリをして、シャッターを押した。
「はるちゃんも鎌倉遠足最後なんだね…。今からでもいずちゃんの班に参加したら?」
「いや、歩くのダルいしシール係でいいよ」
鎌倉遠足は、小学校でやるようなオリエンテーリング形式だった。
縦割りの班に別れ、それぞれが各ポイントを通るように観光ルートを決める。
私は観光に参加する側でなく、ポイントで待ってシールを貼る係になっていた。