【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「足…足に…」


さっちゃんにしがみつき泣きながら足を手で払って訴える。


何もついていないのに、まとわりつく手の感触。


気持ち悪くて血が出るほど掻いた。


痛くてもぞわぞわする感触が取れない。


ワケの分からない頭で私はさっちゃんに、足、足、とだけ叫んでいた。


さっちゃんはどんな顔をして何を考えていたのか分からない。


だけど、掻きむしっている手を止めた。


そして、変わりに優しく撫でてくれた。


少しずつぞわぞわした気持ち悪い感触が消えていく。


興奮していた気持ちも落ち着いていった。
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