【実話】かげおくり～また君に恋をしたい～

さっちゃんの背中にきつく腕を回した。


ボロボロと言う表現がぴったりなくらい、次から次に涙がこぼれ落ち上手く息ができなくて苦しいほど泣いた。


そんな中、必死に声を出して今までにあったことを全部話していく。


嗚咽が邪魔をして上手く言葉にできない。


口にすることでリアルに思い出し、途中何度か吐いた。


それでも、さっちゃんは私の話しを驚きながら泣きながら聞いてくれた。


「消すことは無理だけど、幸せになれば辛い過去も薄れるから。だから、絶対死んだらダメ」


私の両手を包むように握り、真っ直ぐに私の目を見て言うさっちゃん。


「強く生きて。今までも十分強く生きてきてるけど、自分自身の生い立ちに負けたらダメだよ。はるちゃんが自分は強く生きていけるって信じなきゃ」


さっちゃんの言葉に、下唇を強く噛みながら涙をコートの袖で拭った。