【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「意外?」


驚く私の顔を見ながら、渓が口角を上げる。


挑発的に見える渓を見つめながら頷くと、ケラケラと笑った。


「まぁバレないようにしてるからね」


バレないように?


その言葉に何かひっかかったけれど、渓が続きを話していくので忘れていた。


渓は今年の始めくらいから片思い中らしい。


相手は相当モテるし、彼女作る気はないって言ってるから、告白する勇気もないと。


欲は出さずに、友達のまま側にいれればいいやと笑って言った。


「あ、そろそろ行かなきゃね」


私も直樹が好きなんだと言おうか迷っていたら、渓が時計を確認しながら言った。
< 327 / 358 >

この作品をシェア

pagetop