【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「何か勢い余って告っちゃったの!好きすぎたって言うかさ」


髪をぐしゃぐしゃと揉みながら話す渓。


「…あのさ、渓の好きな人って」


「陽介」


私の言葉を遮り吐き出すようにそう言った。


驚く気持ちよりも、やっぱりそうだったんだって気持ちの方が大きかった。


でも、まさか当たるとはって戸惑う気持ちが1番大きい。


渓は俯いていた顔を、前髪をかきあげながら上げた。


深く長いため息の後口を開く。


「陽介のことがずっと好きだったの。一目惚れだったけど、遊んでいくうちにどんどん好きになってさ」
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