【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「家この辺りなの?私の友達もこの辺なんだ」


私に近づきながら、渓の後ろにある白いセダンの方を親指でさす。


「この辺りってことは富士見中?」


目の前に立った渓は、厚底サンダルを履いていて、ビーサンの私が見上げるほど大きかった。


「帰り道?」


さっきから答えていないのに質問ばかりしてくる。


まぁ、全部答えはNOなだけなんだけどさ。


「暇なら遊ばない?今から山下のクラブ行くんだ!」


そう言ってパラパラの振りで手を動かす。


テンション高いな。


思わず笑ってしまった。
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