【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「好きでもねーのにヤッてたって、お前最低だな。汚ねーよ!」


怒鳴ったと思ったら、私にお土産の袋を投げつけてきた。


反射的に顔を庇うと、腕に当たった袋が地面に落ちる。


「二度と話しかけんな」


そう言い捨てて、康平は歩きだした。


小さくなっていく背中を見つめながら、今までの思い出が頭に浮かぶ。


楽しかったことと、康平の笑顔。


ごめんね、康平。


あんな初めて見る冷たい目をさせるほど傷つけたのに、別れてホッとしてる自分がいる。


フラれる前に別れられたことに安心してる。


多分、康平とは思い出が多すぎてフラれてたら今までみたいにはできなかった。


彼氏として好きかと聞かれたら分からないけど、友達だったら大好きだったと思う。


ごめん。


優しさを裏切ってごめんね。
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