【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「ごめん、今友達待ってんだ」


そう言うと眉を下げ、踊っていた手も止まりだらんと垂れ下がった。


分かりやすい(笑)


「あ!!友達来たら一緒に行こう!?」


閃いたように、満面の笑顔で言う。


表情がコロコロ変わる渓がかわいいなと思った。


「あと2時間くらいこないし、門限ヤバくて怒られちゃうからさ」


苦笑いを浮かべて言うと、渓はその場にしゃがみこんでポケットからタバコを取り出した。


「吸う?」


差し出されたタバコに一瞬戸惑った。


タバコは吸う。


だけど、タバコの臭いをつけて施設に帰ったらカバンだけじゃなく服の中までチェックされてしまう…。
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