【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
今日はもうお金を口座に入れられない。


バレる可能性が高い。


そう判断して、首を横に振った。


渓は小さく何度か頷きながら、タバコに火をつけた。


「渓~早く行くぞ」


離れた車から顔を出して渓を呼ぶ男。


「待って~!!さっき話した臨港で会った子なの!!」


渓がそう言うと、車のドアが開き男が2人降りてきた。


「ちぃーっす」


暗闇にはえる赤いカラパン。


髪の毛も白髪に近い金色で、その男だけが明るく見えた。


「お、まじかわいいじゃん」


私を見定めるようにジロジロ見ながら言う。


「でしょ!だから言ったじゃん!!」


なぜか得意気に言う渓。
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