【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
目を開いたまま固まる私を、ハルカが不思議そうに見つめる。


…ううん、この人ハルカなんて名前じゃない…。


「陽介…だよね…?」


「え!?」


そう驚いたのは渓だった。


「陽介!?え、ハルカじゃないの!?」


「…うん、こいつ下の名前陽介だけど…」


そう語尾を小さくしていきながら、直樹は私の顔を見てまばたきをした。


やっぱりそうだ。


大人っぽくはなったけど、変わらないままな顔だもん…。


「はるか、知り合いなの?」


ハルカと呼ばれている陽介に見入る私の腕を、渓が引っ張りながら言う。
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