【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
陽介はこの人たちに自分の生い立ちを話してるの…?


チラッと陽介に目を向けると、陽介は私の目を見返してきた。


それが合図に感じ、私は小さく頷く。


「あー…こいつ、俺の幼なじみみたいなもん。同じ施設で育ったんだ」


私の頭を撫でながら説明する。


「え?はるか施設にいるの!?」


渓が大きな目をさらに大きくして驚いた。


「うん」


「あ…!だから今朝…」


そう言って渓は、マスカラを塗りたくったまつげをゆっくりと伏せていった。
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