【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
陽介が転校した理由は聞かなくても分かった。


施設を出たからだ…。


私が小4の冬、陽介の母親が突然引き取りにきた。


陽介がいなくなるって聞いて大泣きしたのを覚えている。


陽介は、私が施設に来た時1番最初に話しかけてくれた人だった。


3歳の記憶なんてうっすらとしかないけれど、あの日のことはハッキリ覚えてる。


私はそれ以来陽介に懐いて、いつも後をついて歩いてた。


幼なじみと陽介は言ったが、私には友達っていうよりもお兄ちゃんと言う感覚が強い。
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